1.心不全
心臓が十分に働けなくなった状態です。
急におこる場合と慢性的におこる場合があります。
2.不整脈
心拍数のリズムが乱れた状態です。正常な心拍数は1分間に60〜100回で、規則正しく拍動しています。60回以下の場合を徐脈、100回以上の場合を頻脈といいます。
心臓の電気刺激は、心房で発生し心室へ伝わります。心筋梗塞などでこの刺激経路が障害されると、心室細動(心臓がバラバラな働きをする)などがおこり、やがて心停止してしまいます。このさいには、電気除細動で規則正しい動きに戻すことが必要です。AED(自動体外式電気除細動器)は非常に有効です。
コーヒーなどの嗜好品やタバコも原因になります。内服薬を忘れずに服用します。また、ペースメーカーを入れている人には、携帯電話などは要注意です。
3.狭心症
心臓の筋肉は、冠動脈から血流を受けています。冠動脈が細くなったりして、この血流が低下したり、心肥大により心臓の筋肉が増加すると、血流が不足しておこる病気です。胸痛や胸部絞扼感(胸がしめつけられるような感じ)などの症状が現れます。
 ・ 心臓の負担を減らすために、肥満の防止が大切です。
 ・ 内服薬を忘れずに服用します。心臓の血管を拡げる貼り薬は、身体のどの部位に貼っても効果がありますが、貼る部位のかぶれに注意します。
4.心筋梗塞
冠動脈が細くなったり詰まってしまい、心筋に必要な血流が流れず心臓の筋肉が壊死してしまう病気です。
 ・ 胸がしめつけられるような痛みがおこり、心臓はポンプの働きができなくなるために、血圧が下がるなど、循環動態の急激な変化がおこります。不整脈も出現して致命的となる場合もあります。
 ・ 迅速な診断と治療が必要です。
5.高血圧
現在の高血圧の基準は以下です。
  収縮期血圧(mmHg) 拡張期血圧(mmHg)
至適血圧
120未満
80未満
正常血圧 130未満
85未満
正常高値血圧 130〜139 
85〜89
高血圧 140以上 90以上
軽症高血圧(グレード1) 140〜159 90〜99
中等症高血圧(グレード2) 160〜179 100〜109
重症高血圧(グレード3) 180以上 110以上
脳卒中、心不全、心筋梗塞、腎硬化症など、心・血管疾患を発症する最大のリスクファクターで、万病のもとです。拡張期血圧の高い状態が長年続くと、動脈硬化という動脈が硬くなってしまう状態になります。動脈硬化の予防も大切です。
食事療法(減塩1日6〜7g)、運動療法(歩行、ジョギング、水泳などの有酸素運動)を行います。禁煙、アルコールもひかえて内服薬は忘れずに服用します。
6.脱水症
体内の水分が欠乏した状態で、全身倦怠感、発熱、意識障害などの症状がおこり進行すると腎機能障害や循環器疾患、呼吸器疾患もおこります。
舌や口腔内が乾燥していないか、皮膚、口唇粘膜の湿潤度のチェックを行い観察します。入浴後などは、十分な水分補給が大切で、重度になると点滴による輸液などを行います。
7.閉塞性動脈硬化症
動脈硬化のため、下肢などの動脈が閉塞する病気です。
高血圧、糖尿病、喫煙などが動脈硬化をはやめます。
歩行時の下肢の痛み、しびれ、潰瘍、壊死などがおこります。